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経済人のコラム 時局寸評

TOP 経済人のコラム(時局寸評) 新たな時代での山梨の飛躍に向けて

新たな時代での山梨の飛躍に向けて

いよいよ令和の時代が始まった。

 平成の時代を振り返ると、山梨県経済は、バブル崩壊やリーマンショックの影響等から厳しい局面を迎えた時期もあったが、近年は海外経済の安定的な成長を背景に、輸出産業を中心に生産が高水準を維持したほか、観光関連企業でもインバウンド需要の大幅な拡大に伴って繁忙感が高まるなど、基調としては緩やかな拡大が続く展開となった。

新たな時代に県内経済はどのような経路を辿るのであろうか。

この点、先行きを展望する際に前提となるのが全国を上回るテンポで進んでいる人口減少である。中長期的には今後、県内需要に対する趨勢的な下押し圧力や人手不足による供給面での制約が一段と強まる状況を覚悟せざるを得ない。

もっとも、県には、こうした厳しい環境のもとでも着実な経済発展を実現していくための強力なアドバンテージを有していることを忘れてはならない。
具体的には、
① 世界規模でIOT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などの活用が進展する中で、生産用機械や電気機械等で高い技術力を持つ企業が集積する当県の産業構造が、当地に幅広い恩恵をもたらすと思われること。
②  首都圏に近接し、富士山や温泉、ワインなど魅力ある観光資源が数多く揃っている当県では、訪日外国人をはじめとする観光需要の更なる獲得を見込めること。
③  中部横断自動車道の全面開通やリニア中央新幹線の開通といった交通インフラの整備が進むこと。これは、県内への企業誘致や移住者の増加に加え、①や②の分野にもプラスに作用する可能性がある。

 人口減少が避けられない令和の時代においても、官民一体となってこうした強みを活かし、山梨県経済が一段と発展していくことを期待したい。