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経済人のコラム 時局寸評

TOP 経済人のコラム(時局寸評) 退会のご挨拶

退会のご挨拶

 昨年6月に着任してから僅か1年余りの短い間でしたが、大変お世話になりました。

 山梨県の景気は、経済活動が徐々に再開し、持ち直しの動きもみられますが、感染症の影響が続き、極めて厳しい状態にあります。人が移動したり、集まったり、飲食を共にしたりすることが、一頃に比べれば少しずつできるようになってきましたが、感染防止との両立が求められ、昨年までのようにはいきません。

感染防止と社会経済活動の両立だけでも容易ではないのですが、私たちが直面する課題はそれだけではありません。

深刻さを増している自然災害への備えも必要ですし、日本全体として子供の数が減り、かつ地方から都会への若者の流出が止まらないという課題は未解決のままです。
CO2の排出やプラスチックの利用の削減にも取り組んでいく必要があります。
やや長い目で見れば、いずれ生じるであろう富士山の噴火への対処も考えておく必要があります。火山灰が降って停電や通信障害が起きれば、一定の期間、スマホが使えなくなったり、オンライン会議やテレワークなどができなくなったりするかもしれません。

 課題は山積みですが、いずれも、持続可能な社会を構築していくために避けては通れません。

 こうした課題に対しては、行政の役割も重要ですが、私たち一人一人が、地域(山梨県)の歴史や文化、産業、自然環境など、私たちが何を誇りに感じているかを改めて振り返り、その背後にあるストーリー(なぜ、そのような文化や産業が山梨県で生まれ、発展したのか、など)を含めて、子供たちや若い世代に伝えていく(家庭や学校でそういう機会を作る)とともに、県外や海外への情報発信を更に積極的に行っていくことも重要だと思います。
そうすることにより、世代を超えて郷土愛が一段と深まり、「私たちの住む街をもっと生活しやすい街にしていこう」、「生活していてもっと楽しい街にしていこう」、「感染症にも自然災害にも強い街にしていこう」という自立的な行動に繋がっていくでしょうし、若い世代も、1度は東京や海外に出ていくとしても、誇りを感じる故郷にはいつか戻ってくるのではないかと思います。都会で生まれ育った人にも、山梨県のそれぞれの地域の特色や独自の魅力をしっかりと伝えることができれば、(何度も訪れる)観光地や移住の対象としての認知度がもっと高まるはずです。

 私は1年余りで転勤となりましたが、今後も山梨県を応援していきたいと思います。
 短い間でしたが、大変お世話になりました。

 山梨経済同友会、そして山梨県の益々のご発展を心よりお祈り申し上げ、退会のご挨拶とさせて頂きます。