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(30.4.16)リニア経済効果を山梨大学と共同記者発表

日時 平成30年4月16日(月) 10時

会場 山梨大学本部棟5階第一会議室

内容 地域連携事業報告:リニア整備の県内への経済効果

①リニア開通後のGRPの変化予測(佐々木邦明研究室)

②都市内交通整備による経済効果(武藤慎一研究室)

会見者 佐々木邦明 山梨大学大学院教授 工学部土木環境工学科

    武藤慎一  山梨大学大学院准教授 工学部土木環境工学科

    入倉 要  山梨経済同友会代表幹事

    金沢 悟  山梨経済同友会常任幹事

    志村浩男  山梨経済同友会幹事

    山梨大学学生2名

司会  小澤健太郎 山梨経済同友会幹事

次第

入倉要代表幹事あいさつ

 山梨経済同友会は個別の企業や業界を超えて山梨県の恒久的な発展を目指すために知恵を絞って提言および行動活動を行っている団体で、20年を迎えました。
この恒久的発展といいますと、9年後に予定されるリニア開業という大きなファクターに向かっていますので、当初からリニアをどう活かし山梨の経済発展につなげていくべきかと、様々な場面・様々なテーマで提言活動をして参りました。
3年前より新山梨駅の二次交通(およびコンパクトシティー)をどう考えるかというテーマで取り組む中で、ご専門である山梨大学の佐々木邦明教授にご縁がありまして、ご講演の機会あるいは合同シンポジウムの機会などを通じて我々にアドバイスして頂いています。こうした中で、駅間の二次交通を整備しなかった場合の遺失利益の算出のお願いをしたところ快く引き受けて頂きました。このような経緯から佐々木先生と武藤先生の研究室で学生中心となってデータを集め研究していただいたということです。
 この経済効果試算結果について、先々週、研究に携わった学生さんより私どもにプレゼンをしていただきましたが、9年後これからの山梨を語る学生さんの熱心な姿を見て、リニアをどう生かすか考える機会を広げて盛り上げていくことが山梨県民にとって有益であると思い至りましたので、両教授と相談させていただいて記者発表の機会を設けることになった次第です。
本日は大学の発表、それを受けて同友会の考え方を伝えていきたいと思います。

佐々木邦明教授あいさつ

 大学と経済同友会とは、公共交通に関連して合同シンポジウムや合同講演会を開催してきました。講演会中、北陸新幹線(新高岡駅)のアクセス整備に関する内容・手法が山梨にも類似点があり、同友会の要望もあって今回このリニア整備の経済効果について試算をさせていただくことになりました。大学は研究も重要ですが地域貢献や産学連携も大切と考えていますので、学内の理解を頂きましてこの研究を進めてきた次第です。
今後も進めていきたいと思っていますが、本日はその一端を発表させていただきます。

武藤准教授あいさつ

 私は佐々木先生と同じグループで研究を行っています。同友会のご依頼を受けて、リニア開通後の駅間の二次交通(域内のアクセス整備詳細:ルート別、交通機関別、地域別家計)を担当させていただきました。

経済効果の発表

リニア開通後のGRPの変化予測(佐々木邦明研究室)dpf.

(概説)リニア駅へのアクセスを改善することによる地域経済への影響をマクロな地域経済モデルとして定量化した。モデル計算からはリニア駅によって国中生活圏はGRPが年間約120億円上昇することが予測され、さらに速達性の高いアクセス整備によって141億円になることが予測される。特に3次産業への効果が大きくなった。

都市内交通整備による経済効果(武藤慎一研究室)dpf.

(概説)リニア駅-JR甲府駅間のアクセス交通整備に関し、さらに詳細なルート別、交通機関別の地域経済効果の計測を行った。平和通りを利用した直通のLRT整備では、1.1億円/年の地域経済効果が生じるのに対し、途中に停留所を5か所設置し地域住民の利用にも配慮することにより、7.1億円/年という高い地域経済効果の生じることが示された。

山梨経済同友会の意見

志村浩男(経済同友会リニア部会長)

 若者が生まれた地域で代々地域に住み継ぐためにも、リニアの有効活用は県民にとって最大のチャンスであると考えています。今回の発表の中にLRTの言及がありましたが、川崎重工のSUIMOというニッケル水素電池を搭載した路面電車LRVは、零下においても急速充放電ができ、架線レスでの非電化区間での走行、回生電力蓄電も実現しています。このような革新の状況も踏まえ、リニア駅を中心とした県内の二次交通を整備していくことが観光面からも有効と考えます。将来的に富士山までの延伸や既設の鉄道網を含めた環状化策も考えたい。

入倉要(山梨経済同友会)
 山梨大学研究室に改めてお礼申し上げます。水素電池等の技術革新が進んでいて、我々が考える以上のスピードで実用化もされています。水素電池は山梨大学や県内の企業も関っていますので、リニアは9年後ですから、革新を想定しながら、(BRTで平和通りが一番良いが)今後、違った形もあるのではないか、それを同友会では宇都宮LRTの例(国の補助)なども参考にしながら、考えて提案していきたい。

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