経済人のコラム 時局寸評
2021年 年頭所感
新年、明けましておめでとうございます。本年が皆様、ご家族にとって幸多き素晴らしい年になりますよう、謹んでお祈り申し上げます。
さて、昨年は誰もが予想しなかったコロナウイルス感染の影響で、世界中が大変大きな影響を受けました。密を避けるために人々の活動は制限され、観光業や飲食業、イベント業など多くの産業が打撃を受け、経済的には停滞すると同時に、各国でコロナ対策の為の財政支出も莫大となっています。今年はこのコロナ禍がどのように収束するのか?はたまた収束せずに影響を及ぼしたままになるのか、先行きは不透明と言わざるを得ません。
このコロナの影響でこれまで当たり前であった生活様式も大きく変化し、人々の意識、価値観も様々な場面で変わりました。一番象徴的なことはデジタル技術の活用による様々な変化でしょう。面談や人の交流はデジタル会議に置き換わり、出張は激減し、通勤、働き方も大きく変わりました。またマスクの常時着用など衛生面での意識も高まり、非接触や密を避けるニーズが生まれ、こちらにもデジタル技術が活躍しています。
さてそのような経済環境の変化の中で、われわれ経済人は何を目指し、どう行動すべきか?が問われていると感じています。もっと踏み込んでいえば、この大きな変化をチャンスと捉えて、新たな価値を生み出して経済を活性化していけるか?が問われているとも言えます。
そもそも経済同友会は昭和21年4月という終戦直後、焦土に等しい荒廃しきった状況の中で中堅経済人が日本の復興を誓って設立した会であります。そして、その設立趣意書には「われわれは経済人として新生日本の構築に全力を捧げたい。」と決意を記しています。
現在我々が置かれている状況は戦後と比較すれば、もちろん圧倒的に恵まれています。しかしこれまでの常識が通用しないという意味では非連続的な変化に直面しているのも事実であり、改めてこの設立趣意書で謳っている「新生日本の構築」と言った気概を持って、経営に当たる時であると考えております。
先行きの見通せない年の初めではありますが、だからこそ山梨経済同友会の一員である、と言うことを胸に刻み、この大きな変化に堂々と立ち向かい「新生日本の構築」の一助となる気概を持ってこの1年を過ごしていきましょう。
改めて皆様のご企業のご隆昌を心よりお祈り申しあげ、新年のご挨拶とさせていただきます。